誠実であること (NO.12)

on 2月 25日, 2020

園長先生が退職されてから、ひと月が経とうとしています。56年間も園長をしていた方は、日本全国でもそんなにいないだろうと思います。当然、私がこひつじ幼稚園に着任してからずっと、園長先生でありました。いい時も、苦しい時も、楽しい時も、美味しい時も、学ぶ時だって一緒の時を過ごさせていただきました。今、事務的な引き継ぎの大変さより、精神的な心細さを感じています。このような気持ちを、以前にも味わったことがあることを思い出しました。
私の父は68歳で亡くなりました。生きていれば、園長先生と同じくらいの年齢です。私の父は、とても真面目な人でした。学生の時、実家を離れた私に、一度だけ手書きの手紙が送られてきました。
そそっかしい母の日常を面白おかしく書いた後、私には「人に迷惑をかけず、誠実に生きなさい」と、少し大きく書いてありました。「誠実」とはどういうことでしょうか? 辞書には、「言動にうそ偽りがなく、常に良心の命ずるままに行動する様子、真心が感じられる様」、と書いてありました。以来私は、「誠実」とはかけ離れた学生時代を過ごしながらも、「誠実」という言葉の意味をずっと探し求めていたように思います。父が亡くなった時、「誠実ではない自分」に気がつきました。特別好きな父親ではありませんでしたが、父のいない精神的な心細さを感じたことでした。そして、「私という私」について、更に考えるようになりました。
  園長先生に出会って、「誠実に生きる」ということが、どういうことかやっとわかりました。園長先生は、常に誠実な人でした。どのような時も、自分の力や考えを誇示する人ではないのです。私の考えを伝えると、私の心にもきちんと応えてくれました。私の思い煩いを常に解きほぐしてくれました。私はいつもすっきりとした気持ちで、子どもたちに向かえました。「誠実」とは「慈しむ」こと。私は、やっとそのことが分かりました。そして、父が「誠実に生きていたのか」と考えた時、私のような暴れん坊(私は大人を困らせることばかりする子でした)を愛し、育ててくれたことに気がついたのです。
改めて、私も、最も小さな弱い立場にある子どもたちと共に、豊かな時、幸せな時を過ごせたならと願います。園長先生から教えていただいた「誠実」を大事に、子どもたちとも、保護者の皆様とも、職員たちとも向き合えたなら、それ以上幸せなことはありません。

*3月の予定*
3日 おわかれ会
5日 ゆり組 学級懇談会
       コサージュ作り
6日 誕生会
11日 ゆり組作品帳持ち帰り
13日 つぼみ・たんぽぽ組作品帳持ち帰り
17日 第67回 卒園式
18日 たんぽぽ・つぼみ・わくわく組 学級懇談
19日 修了式

*4月の予定*
6日 始業式
8日 入園式