豊かな生活を再び(No.3)

 久しぶりに幼稚園が始まり、精一杯の思いで子どもたちを迎えました。大切な集団経験の時間が奪われたのですから、子どもたちの心が心配でした。私たちは緊張を隠しつつ、以前と同じように、子どもたちを迎えていったつもりでした。笑顔の奥に限界を訴えている多くの保護者の方がいました。子どもたちの中にも、「心がつらい」と訴えたり、「ずっと幼稚園に行きたいと思っていた」「幼稚園のことをつい考えちゃった」と言う子がいたり、登園すると、ホールで奇声を発してほっとしたりしている子がいました。私たちは、ゆっくりゆっくり心を解放させ、「そうだった!幼稚園は、こういう所だった!こういう空気だった!このような友だちがいたんだった!」と思えるよう、子どもの心を支えることに徹していきました。
ウイルスの緊張はあるものの、通常教育時間になり、子どもたちの生活が徐々に戻ってきました。同時に、子どもたちの顔つきに明るい変化が見られるようになってきました。子どもの豊かな可能性は、子ども一人では実現しません。保護者との密接の中だけでも実現しません。様々な友だちとも、仲間とも(弱い人とも、強い人とも)、いろいろな大人ともかかわり、意欲的に遊び込む中で学ぶ力を身に付けていくのです。子どもは、関心の中に意味を見つけ、その関心に基づいて活動や計画をしていき、熱中し、遊びを工夫し、難しいことにも楽しさを見出し、挑戦していきます。幼稚園の生活をよく知っている年中児・年長児は、臨時休園中、家で楽しそうに過していたようでも、出鼻をくじかれ、日が重なるにつれ、辛くなった子もいたのです。新たに新入園児として加わった子どもたちにとっても、取り戻しようのない貴重な時間だったのです。
さて、私たちはとっくに前を向いています。子どもが好きな遊び、関心のある遊びを繰り返し楽しみ、自分のスキルや関心を発展させることができるよう、何度も試したりできる十分な時間やペースを与え、その中で、子どもが考える力と学ぶ力を身に付けていかれるように支えていきます。年齢によりますが、子どもの関心事にすぐ口を出すお母さんの子は、自分の本当の思いを呑み込みがちです。結果思考の子は、「とてもできそうもない」と悲観的になりがちです。必ずうまくいくように、「お母さんとやる」ことにこだわります。学び思考の子どもは、「きっとうまくいくよ」と楽天的な見通しをもちます。子どもは、どんどん大きくなっていきます。背が伸びたとか、靴のサイズが大きくなったとか言いがちですが、それは自分の努力ではありません。本当に育つというのは、子どもが学ぶということなのです。試行錯誤を繰り返し、教師とも、友だちとも対等な関係を味わいながら、知恵のやりとり、自分の思い、相手の思い、人とのかかわり方、自分自身をも知り、豊かな社会的世界を経験し、学んでいきます。夏まで、じっくり、じっくり、豊かな遊びを展開していきます。お母さん、子どもの心をお支えくださり、そのような生活を応援してください。よろしくお願いします。コロナウィルスが、早く沈静しますように。

6月行事予定
19日 ゆり組 誕生会
23日 つぼみ組 誕生会
25日 たんぽぽ組誕生会

7月行事予定
10日 避難訓練(火災)
27日 ゆり組 お母さんとお楽しみ会・後援会総会
28日 つぼみ組 お母さんとお誕生日会・後援会総会
29日 たんぽぽ組 お母さんとお楽しみ会・後援会総会
30日 わくわく組・広場 お母さんとお楽しみ会・後援会総会
   わくわく広場終業
31日 1学期終業式

8月行事予定
19日 2学期始業式
28日 避難訓練(地震)