ゆり組学級だより

 ゆり組保護者の皆様、先日の生活発表会では、温かい拍手とその後の感想をありがとうございました。子どもたちは達成感と自信に満ち溢れ、残りの二学期も「100パーセントの力ですごそう!」と張り切っています。子どもたちの悩みは、秋に幼稚園でとれたブドウで作ったレーズンと、クルミをどうやって食べるかでした。担任は、レーズンパンとクルミパンを提案しました。すると子どもたちは去年の年長の活動をすぐに思い出し、「ピザ窯(今年はパン焼き窯)を作ろう」ということになりました。私は、発表会で得た自信をさらに確実なものにするべく、「見通しをもちながら、目的をもって生活することを楽しませたい」「友だちの良さを感じながら、自分の力をいかしていく喜びを味わい、仲間の中の大事な自分であることを実感させたい」と願いながら活動を進め、その中で一人一人が自分を心地良く表出していく姿を支えてきました。
パンのレシピ、レーズンや焼き窯の作り方を調べてきた子たちが連日発表をし、その作り方をもとに試行錯誤しながら窯づくりをしていきました。途中、試し焼きをしましたが、レンガの隙間から火が逃げてしまい、パンが焼けなかったことから、「明日は、窯を作り直して泥で隙間を埋めよう」と、みんなで約束をして帰りました。しかし次の日に、窯の周りに集まったのは6人で、「昨日約束をしたはずだったのに」と不穏な空気が流れ始めました。そこに、不穏な空気を察知した、約束を忘れていた子どもたちが集まってきました。担任は、二学期の残り時間を考えると早く完成に向かわせたい気持ちもありましたが、このことが「自分が目的に向かう仲間の中の大事な一人である」ことを感じられるチャンスと捉え、子どもたちが「なぜ、作りに来ないのか」と、思い思いに訴えている時間をじっくり支えることにしました。約束を忘れていた子は、「忘れていてごめんね」と必死に謝ります。それでも「男たちがそれでは頼りないよ」と言われてしまい、なかなか許してはもらえない子どもたちに、担任は「どんなことに自分の力を出せそうなのかを考えてごらん」と伝えました。みんな、一生懸命に自分の心と向き合い、「僕はたくさんレンガを運ぶよ」「泥を塗る人になる」「その泥を作って運ぶことができる」と自分の言葉で伝え、なんとか信頼を取り戻そうとする姿がみられました。私は、子どもたちが、自分の心のありようを考え、そのことを自分の言葉で表現できる力が育ってきていることを感じました。そして、その心を十分に発揮し、喜びを感じながらいることも分かりました。この力はきっと、この先の生きる力に必ずつながっていると思っています。中にはまだ、学級の仲間の信頼を取り戻せずにいる子もいますが、活動の最後まで、それぞれの育ちを大切に支えていきます。
2学期も残り数日となりますが、引き続き幼稚園の教育を見守っていただけると幸いです。どうぞよろしくお願いいたします。

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