「祝福」に満ち溢れた春        (園便り NO.2) 

 春です。北海道の春は特にエネルギッシュです。豊平川は、雪解け水で溢れ出しそうなくらい豊かに、激しく日本海へ流れていきます。タンポポは、路肩にしっかりと根ざし、早春にも負けずに咲き誇っています。園庭の白樺の木が、青葉を芽吹かせようと、大地の水を吸い上げています。桜の芽が、うっすらとピンク色に膨らみ始めています。子どもたちは、小さな春の印を見つけては歓喜し、この春に見つける虫を見て、改めて不思議を感じ、命を感じ、生きていることを実感するのです。毎年春は、そのチャンスが与えられる、エネルギッシュな時なのです。見えないけれど、クモは、卵の白い袋の中で、生まれるための大騒動を巻き起こしています。アリも、アリの巣の中で、卵の殻を破って生まれてきます。こんなところに?と思う場所に、すみれが咲き、福寿草が咲き、フキノトウが香りよく咲き、どんなに忙しくしていても私たちの所に、春は必ずやって来るのです。私たちの周りに生きているものは、一つ残らず全部「不思議な力」をもっています。生きとし生けるもので、「不思議な力」をもたずに、この地上に生きているものは一つもありません。
小さな子どもが育つ道程の中でも、厳しい冬に出会います。必ず出会います。ダウンジャケットが必要な時もあるでしょう。一人耐える時間も必要な時があることでしょう。猛吹雪だってあるはずです。そのような時こそ、周りは焦らず、じっと静かに春を待つのです。春が近づけば、園庭の白樺のように自分の力で一気に水を吸い上げ、若葉を茂らせます。この先に、必ず「春」が、「祝福」が待っていることを忘れてはいけません。神様が、私たちの日々の中で起こる、いいことも悪いことも全部使って、あなたを強くし、励まし、癒し、神様が考えておられる本当のあなたにして下さることを『祝福』(God bless you.)と言います。
厳しい冬が終わって、すぐに咲き誇るたんぽぽの根っこは、どのような準備をしているのか見たことなどありません。芽吹くため、大地の水を吸い上げている様も見たことはありません。本当に大切なのは、目に飛び込んでくる花や虫たちの、このような見えない働き、根の張り方や、厳しい冬を乗り越えたその花や虫のもつ力、つまり、[見えない力]ではないでしょうか。私たちは、春の花を見た時、その[見えない力]に感動しているのではないでしょうか。
年長組では、フキノトウがどのように季節を通し、育っているか、絵本を通して知り学び合っていました。フキノトウを摘んで登園してくる子がいました。早速、「フキ味噌」を作ってくれました。ほろ苦い春の味をご飯にのせて頂きました。「おいしいー」の声が響きました。子どもの発言の中に「食べる分だけ、摘んだらいいよね」という言葉が聞こえてきました。フキノトウが厳しい冬を超え、やっと生まれ、ここにある事を実感しての言葉です。私たちの世界は、「祝福」に満ち溢れています。May God bless you!

*5月の行事予定*
8日 わくわく広場開始
17日 母の日親子礼拝・後援会総会
20日 学級代表顔合わせ
30日 誕生会