みんなの喜びを自分の喜びとして(NO.7)

 3年ぶりの運動会が開催されました。学年ごとの運動会は、我が子をゆっくり観ることができるというメリットはありますが、私たち教師は全園児で運動会を行うことに大きな学びがあることを知っていますから、やっと開催できたことが本当に嬉しかったです。保護者の皆さまから、たくさんのご感想をいただきました。どの感想も嬉しく、心を込めて読ませていただきました。ありがとうございました。
運動遊びは、運動会のためのものではいけません。運動会のために運動遊びがあってはいけません。子どもの日頃の運動遊びが、見てもらいたいという気持ちに育った時に会が開かれるのです。「私、鉄棒ができるようになったの 見て!見て!」「シュートするところ見て!すごい?」このようにやりたい遊びを自分の方法で楽しみ、日々できたことを伝え合い、他の子を見て自分もできるかもしれないとチャレンジし、喜び合っているうちにどんどんチャレンジしたくなる運動遊びが膨らんでいくのです。
自分のチャレンジに夢中な子どもも、次第に友だちの頑張りや憧れを抱き、周りの人の動きに注目していきます。やがて、友達がチャレンジできたら、自分ごとのように万歳をしていたり、大きな声援を送っていたりします。自然に用具のお手伝いをする姿が見られ、怪我をした子を介助する姿も自然なできごとになります。運動会で見てくださった通りです。
私は、運動会で年齢を積み重ね、自分に与えられた強い身体と強い心を発揮させていくうちに素敵な自分に気がつき、溢れる程の自分の力をみんなのために生かせることを学んでいくのだと思っています。
 年長組では運動会の翌日、再びリレーを楽しんでいました。負けたことが悔しくて、1位のチームに乱暴な言葉を投げかけてしまった子がいました。それを聞いた1位の子どもたちも負けたチームの子も怒りました。噂を聞いて学級のみんなが集まってきて、「自分ばっかりな気持ちではだめなこと。勝っても負けても頑張る気持ちであること。勝ったり負けたりが楽しいこと。そう言うことが楽しめる仲間であること」などを、暴言を発してしまった子に必死で伝えるのでした。その子は考える時間を過ごした翌日、「みんなに言いたいことがあります」と、自分の失言を仲間に素直に謝ったと言うことでした。
私は、そのやりとりを聞いていて、独りよがりではだめなことや危機の時こそどう生きるべきかを子どもたちが気づいてきていると感じました。フランスの思想家ジャック・アリタの言葉を思い出しました。ジャック・アリタは、「利他主義」について「協力は、競争よりも価値があり、人類はひとつであることを理解するべきだ。死ぬまでの限られた時間を有効に活用し、充実した人生を送るようにするために、他人に対して関心と共感をもち、自分の幸福は他者の幸福に依存することを自覚することが大事なのだ」と書いています。
「みんなでリレーができた喜び、負けたら悔しい、勝ったら嬉しい。また一緒にしようよ。何度でもチャレンジできるんだよ。いろんな思いを分かち合おうよ」そんな子どもたちの心の声を感じました。運動遊びを通し、運動会を通し、心のありようを学んでいくこひつじ幼稚園の子どもたちです。

こひつじ幼稚園の運動会のうた

作曲:森﨑 博之 (チームナックス リーダー)

運動会 運動会 強い力を発揮しよう 強い心を発揮しよう
頑張る僕 すてきな私 決めちゃう僕 のびのび私
転んでも泣いても大丈夫 筋肉もりもり ジャンプしよう 
大きくなった子身体 力溢れるこの身体 大切な仲間たち  
宇宙に向かってエイエイオー! みんなで一緒にエイエイオー!!

 「こひつじ幼稚園の運動会のうた」が森﨑さんの指揮で盛り上がったこと、子どもたちの素晴らしい歌声が響き感激した思いをたくさんの保護者の皆様が綴ってくださいました。何よりも、素晴らしい楽曲をプレゼントしていただきました。また来年、みんなで歌い合いましょう!リーダー!指揮をしてくださいますか?(公開お願い)

札幌ナザレン教会の牧師兼理事長の古川修二先生が、教会の案内(週報)の中の牧師室だよりに感想を書いてくださっていましたので、お知らせします。

牧師室だより NO.171
 先週の水曜日は、幼稚園の運動会でした。
コロナ禍のために、通常の形で行うことができませんでしたが、三年ぶりに全クラスがそろって運動会ができたことは幸いなことでした。とくに年長のユリ組の子どもたちとその家族にとっては嬉しい思い出になったと思います。そして、今年の運動会では、「こひつじようちえんのうんどうかいのうた」が歌われました。作詞は田畑栄園長、作曲は保護者で、北海道愛あふれるタレント活動で知られ、演出家でもある森崎博之さん。当日は自ら指揮をして運動会をもりあげてくださいました。
「運動会!運動会!強い体を発揮しよう がんばる僕素敵な私(中路)転んでも泣いても大丈夫 筋肉もりもりジャンプしよう 大きくなったこの体、力あふれるこの体 大切な仲間たち 宇宙に向かってエイエイオー!みんなで一緒にエイエイオー!」
「宇宙に向かってエイエイオー!みんなで一緒にエイエイオー!」なんとスケールの大きい、愛に溢れた歌詞かと思います。幼稚園の今月の聖書の御言葉は、ヘブル人への手紙から「わたしたちの競争を、がんばって走り抜こうではないか」
と、ピリピ人への手紙から「前のものに向かって、からだを伸ばしつつ、目標を目指して走る」です。こひつじ幼稚園の園児たちが、目標を目指して、懸命に走る姿はとても爽やかで美しいと思います。他の誰かと比べるのではなく、ひとりひとりが昨日の自分を超えるように心も身体も前に向かって懸命にがんばっているからです。一方、私が園児や小学生であった頃の運動会は、仲間たちの間での勝ち負けに、こだわり過ざた運動会であったように思います。
そのせいでしょうか、運動会を心から楽しむことができず、楽しい思い出が少ないのです。正直負けるのがとても嫌でした。しかし、転んでも泣いても大丈夫と、強い身体を精一杯発揮し、頑張り、走り抜くこひつじ幼稚園の子どもたちの表情は生き生きとしていますし、応援しつつそれを見守る保護者の皆さんも本当に楽しそうでした。そして、最後はがんばった全員に、教師たちの手作りのマツボックリの金メダルが園児一人ひとりの首に掛けられます。この子どもたちに倣い、「わたしたちの競争を、がんばって走り抜こう」と思わされた秋の一日でした。

*10月の予定*

4日 なにぬねのの日
5日 感謝礼拝 
6日 感謝祭
7日 クラシックコンサート
11日 あそびましょ
12日 誕生会
13日 避難訓練、JAZZコンサート
18日 なにぬねのの日
26日 たんぽぽ組、つぼみ組懇談会
27日 ゆり組懇談会
28日 2023年度わくわく広場受付